約束通り、マロンイヌさんとピンクマロンイヌちゃんは
カンガルーさんのお家を訪問しました。
ずっとこの日を楽しみにしていたマロンイヌさんは上機嫌。
カンガルーのお母さんに娘のピンクマロンイヌちゃんの
日常の出来事や絵を描くのが好きな事を沢山話しました。
カンガルーのお母さんも末っ子ちゃんと姉妹の小さい頃の話や
育児のアドバイスを聞かせました。
ピンクマロンイヌちゃんはと言うと、
カンガルー妹ちゃんとカンガルー末っ子ちゃんと
大人しく遊んでいました。
「二人ともずっと喋ってるなぁ~」
いつまでも続くお喋りにカンガルーちゃんは
少し呆気にとられていました。
「あれ?」
カンガルーちゃんは窓の外に気付きました。
二人の事をじっと見つめる視線。
「あれは・・・・もしかして」
フラワーショップの方に向かうと、
やはりそうでした。
そこには尻尾をしゅんとさせた
カンガルーのお父さんの姿がありました。
「・・・・どうして、お母さん・・・あんなに楽しそうに・・・ブツブツ・・・」
何かを呟いてるようですが、
カンガルーちゃんには聞こえません。
「お父さん、こんな所で何してるの?」
話しかけてもカンガルーのお父さんは真剣で
全然カンガルーちゃんに気づいてくれません。
その光景を見ていたアカシカさんが声をかけて来ました。
「この人、あの子に嫉妬しているみたいよ」
「しっと??」
「・・・・お母さん・・・私の事を嫌いに・・・ブツブツ・・・」
またぶつぶつと呟いてます。
「・・・・お父さん・・・」
「放って置きなさいな。そのうち飽きるわよ」
カンガルーのお母さんがお友達とお喋りをするので、
フラワーショップのお手伝いに来たカンガルーのお父さん。
全く役に立たないので、
アカシカのお母さんはすっかり呆れてしまいました。
「これだから、男は・・・」
すっかり話し込んだマロンイヌさんとカンガルーのお母さん。
辺りは夕暮れに包まれていました。
「今日は本当にありがとうございました!」
「沢山お話出来て、とても楽しかったです!」
「少しでもお役に立てたなら、何よりですよ^^」
「またお話に来ても良いですか?」
「ええ。また遊びに来て下さいね」
「その時は・・・」
マロンイヌさんはカンガルーのお父さんの方を向きました。
「カンガルーさんも一緒にお話ししましょう!
初めての育児の父親の心得を教えて下さい!」
急に話しかけられてカンガルーのお父さんはびくっと肩を震わせました。
「えっ!あっ・・・はい!その時は是非・・・」
「あと良ければ、お暇な時に一杯、でも」
マロンイヌさんは指で輪っかを作りクイッと上げて見せました。
「あっ・・・あまり飲めませんが・・・是非、喜んで!」
マロンイヌさんはその言葉を聞いてにっこり笑いました。
嫉妬していたカンガルーのお父さん。
そんな自分が何だか恥ずかしくなりました。
もしかしたら、今度はマロンイヌさんとカンガルーのお父さんの
お喋りを聞けるかもしれません。
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